ウルトラマンタロウの第33話、「ウルトラの国大爆発5秒前!」のあらすじと感想です。
このストーリーはおそらく歴代ウルトラシリーズで最も“ウルトラ兄弟客演”が豪華だったお祭り的ストーリー。
次の34話「ウルトラ6兄弟最後の日!」と前後編2話セットの放送ですが、劇場版で公開できる豪華さです。
それまで歴代の歴代ウルトラマンだけでなく、その変身前の地球人としての姿での客演までセットで登場するわけですから。
- 初代ウルトラマンとハヤタ(黒部進)
- ウルトラセブンとモロボシダン(森次晃嗣)
- 帰ってきたウルトラマン(新マン・ジャック)と郷秀樹(団次郎)
- ウルトラマンA(エース)と北斗星司(高峰圭二)
この4人のウルトラマンが変身前と変身後どちらも登場するんですから、子どもたちにとってはたまらない「大イベント」なわけです。
僕は再放送世代でリアルタイム時は生まれてなかったから当時どれだけ盛り上がったかを肌で感じることはできませんでした。
それでも再放送で夏休みの朝6時だったにも関わらずこの「豪華共演」にめちゃくちゃ興奮したのをよっく覚えてます。
ストーリーはまずウルトラの国とウルトラ兄弟を全滅させて宇宙制服を目論むテンペラー星人が、
ウルトラの国をロックオンしてミサイル発射のカウントダウン中のところから始まります。
カウントダウンが25まで進んだところで、突然モンキッキのオモチャ(わんぱくスージー)みてーな猿が「攻撃を中止せよ」と喋り出す。
この猿は最後まで誰なのかはっきりしないけど、テンペラー星人というもんは1人だけの名称ではなくバルタン星人みたいな「量産型」ということなんでしょう。
だから、この猿もあくまで通信機のようなもので、別のテンペラー星人が通信していると考えるのが自然でしょうね。
で、その猿が言うにはウルトラ兄弟は今ウルトラの星にはいないから攻撃しても意味がないという趣旨で止める。
ウルトラ兄弟は今ウルトラマンタロウに招待されて地球に遊びに行っていると報告する。
するとテンペラー星人は攻撃目標を地球に変えるとして地球へ向かうことに。
もしウルトラ兄弟がウルトラの国にいたらそのままミサイル打ち込まれて全滅してたのかちょっと気になるが。
ちなみにこの猿野郎の声って声優の田中真弓の声にめっちゃ似てません?
見るたびにそう思うんですよね。
ちなみに田中真弓が声優活動をスタートさせたのは1978年です。
だから当然別人なんですよね。
ウルトラマンタロウの第33話、「ウルトラの国大爆発5秒前!」の放送日は1973年11月16日。
収録日は当然もっと前ですからね。
だったらこの声一体誰なんだと気になりません?
クレジットにも出てないですし。
正解はなんと・・・東光太郎を演じる篠田三郎だったんです!
次にあなたは「声が違うだろ!」と言うだろう。(ジョセフ風に)
そう、確かにそのまんまじゃあない。
タロウに変身してからも篠田三郎は声をアフレコしています。
この猿野郎も篠田三郎がアテレコして、声を加工しているわけです。
クレジットでも誰の名前も出てこなかったのはそういう事情があったということ。
ウルトラシリーズの声を担当している方って別の声優さんに似た声質の方が多いんですよね。
次の『ウルトラマンレオ』の38話と39話でアストラの声を担当したのも丸山純二(現・大場順)ですが、
初めて聞いた時は二又一成(『サザエさん』のサブちゃんとか『めぞん一刻』の五代くんとか担当した声優)だと思ってましたし。
この二又一成も声優デビュー年は奇しくも田中まゆゆと同じ1978年ですね。
逆に『ウルトラマンA』でエースの声を担当してるのは納谷悟朗(言わずと知れた銭形警部の声)とはずっと気づかなかったんですけどね。
そういや『ウルトラマンA』が放送されていた時って、ちょうど 『ルパン三世(第1シリーズ)』が放送されていた時期だったんですね。
関係ないけど峰不二子の声は歴代声優の中で初代の二階堂有希子が一番可愛らしくてセクシーだと個人的には思います。
そんな僕の個人的好みはともかく、このストーリーでテンペラー星人の声を担当してるのは丸山詠二。
俳優としても声優としても活躍した方で、特撮では怪人や宇宙人の声をよくアテレコしています。
ウルトラシリーズでもしばしば出てるんですよ。
『ウルトラセブン』第11話に登場したワイルド星人の声
『ウルトラマンレオ』の第33話の悪霊の声などはこのお方のお仕事。
今回のテンペラー星人は「お祭り回」なのを意識してかコミカル感を出して演じていますね。
声優事情はこれっくらいにして、舞台は地球へ。
「ウルトラ六兄弟」のテーマが流れ、初代ウルトラマン・セブン・ジャック・エースが地球を飛んでいる。
交互に美しい地球の自然(というな南国の花ばかり)がカットイン。
地上ではタロウが東光太郎の姿で「お~い、兄さんたち~!」と手を振って合図をしている。
4人は「地球での姿」に戻って着地。
駆け寄ってきたウルトラマンタロウ(東光太郎)が「よく来てくれました!」と声をかける。
するとまずは初代ウルトラマンが「何を言う。オレはこの地球ではハヤタと呼ばれていたんだ」と返す。
続いてウルトラセブンが「そう、オレもウルトラセブンではなく、モロボシ・ダンだ」と、まるで「モロボシ・ダンとでもしときましょう」的に返す。
続いて帰ってきたウルトラマン(帰マン)が「オレは郷秀樹」とただそれだけ。
続いてウルトラマンA(エース)が「オレもエースではない。北斗星司だ」と答える。
それぞれセリフを割って初めて見る子どもたちへの配慮か“自己紹介”的なセリフを口にする。
それにしても改めてみるとやっぱり4人ともイケメンだなぁと再認識。
ガキの頃は見た目が派手でカッコいい郷秀樹(団次郎)くらいしかカッコいいとは感じなかったんですけどね。
でも今改めてみると森次晃嗣もかなりのイケメンだなと感じます。
森次晃嗣が運営するジョリーシャポー・・・行ってみようかな。
とにかく「地球人名」で呼び合おうみたいなムードを出すウルトラ兄弟。
そういう「設定プレイ」を愉しもうという空気が出来たことを察してか、
タロウも「わかりました。僕は東光太郎ですからね」とその「地球人ごっこ」の輪に加わる。
間髪入れずにモロボシ・ダンが「さて、わざわざタロウが呼んでくれたんだ。どんな御馳走を用意してくれるのかな?」といきなり「タロウ」と呼んでしまう(笑)。
そこは「光太郎」じゃないのか(笑)
東光太郎が「ゾフィー兄さんは?」と問う。
するとハヤタが「あぁ、念のため宇宙パトロールをしてから少し遅れてくるそうだ」と返す。
郷秀樹が「さぁ!久しぶりに地球のごちそうを腹いっぱい食べるかな!」と腹ペコなご様子。
東光太郎が「でも・・・ゾフィー兄さんが来てからに」じらす。
北斗星司が「気にすんな!オレたちみんな腹ペコなんだよ」と食いたくて食いたくてたまらないご様子。
するとここでモロボシ・ダン(ウルトラセブン)が後々まで散々ネタにされる衝撃発言が!
「おぅ、ゾフィーのことなんかいいよ。さぁはじめよう」と言い放ってしまうのです(笑)
この発言で「セブンがゾフィーを嫌い説」まで無理やりこじつけられたりね。
実際ゾフィーはセブンの助けに一度も来てくれなかったから恨んでいるとか(笑)
ちなみにゾフィーは新マンにも救援には入っていないからそれなら新マンも条件は一緒だけどね。
ただセブンだけは唯一誰1人助けに来てくれなかったウルトラ戦士ということもある。
スネたくなる気持ちもわからないでもない(笑)
セブンだけは他の歴代ウルトラ戦士と違って最終回(地球を去る時)はひどく衰弱していたのは「誰も助けてくれなかったから」ということもあるのかな?
まぁ普通に“演出”なんでしょうけど(笑)
さらにハヤタまで「そうだ!」とセブンの造反発言を後押しして“ダメ押し”する始末(笑)
これでじらしまくっていた東光太郎も「そうですか・・・じゃあ、どうぞ!」と用意していたバーベキューとシャンパンのセットを披露する。
ウルトラ兄弟は「ムヒョー」とばかりに歓喜して
「美味そうだなぁ」(北斗星司)
「いい匂いだ」(郷秀樹)
「よ~し食べるぞ」(ハヤタ)
「こりゃ良く焼けてるわ」(北斗星司)
などと口々に言いながら、皆律義に「いただきま~す」と言ってから肉を貪り始める。
やっぱ子どもが見てる番組だからちゃんと「いただきます」は言わせるのね。
「ウルトラ5つの誓い」にも「ごはんの前にはちゃんと“いただきます”を言うこと」を加えておいても良かったかもね(笑)
ちなみにこのバーベキュー現場の気になるロケ地は三浦半島(横須賀市長井)の佃嵐崎です。
今では「長井海の手公園 ソレイユの丘」があって多くの人が集まるスポットですが、当時は荒野に近いような場所だったようで。
ゾフィーも一緒にいたらどんな姿になって食べるのが見て見たかったなァ。
つーか・・・ピーマンが真っ黒に焦げてる(笑)
一方、テンペラー星人もあっという間に地球までやってきた。
篠田三郎の声を加工した猿野郎の「暴れろ!破壊しろ!ウルトラ兄弟は必ず誘い出されて来る」とい指示でテンペラー星人が街に現れる。
開口一番「ウルトラ兄弟、どーこーだーよぉ~」とコミカルテイストな発言で緊張感全くなし(笑)
ウルトラ兄弟はで笑いながらワイワイ肉を貪り食っている。
すると東光太郎の無線レシーバーにZATの紅一点、森山いずみ隊員から「東京にあやしい宇宙人が現れました。すぐ帰ってください」との連絡が。
さっきまで満面の笑みだたウルトラ兄弟の表情が一瞬にして曇る。
東光太郎は「せっかく兄さんたちと食事してるってのに」とボヤく。
「何を言うんだ。それがお前の務めじゃないか。さぁ、早く行け」と突き放すハヤタ。
行こうとする東光太郎を「待てタロウ」と止めるのは空を飛んできたゾフィー。
「今東京を襲っているのはテンペラー星人だ」と一同に告げる。
ゾフィーの声を担当するのは鹿島信哉。
『ウルトラマンタロウ』では他にも39話でウルトラの父を、最終回(53話)でバルキー星人の声などを担当。
それだけでなく本人自体もノンクレジットで9話のアナウンサー役などで出演しています。
続く『ウルトラマンレオ』の3話でも本人が出演し、MACの鈴木隊員を演じていますね。
そう・・・ツルク星人に父親を真っ二つに斬殺されたトオルとカオルを血の繋がりもないのに自分の子供として引き取ろうとして、
今度は自分自身がツルク星人に真っ二つに斬殺されてしまったあの悲劇の隊員です。
他にも初代ウルトラマンやウルトラマンAやウルトラマンティガなど様々な作品に出演している方です。
威厳があってカッコいい声ですよね。
僕はてっきり、ゾフィーの声はこの後登場する大谷博士役の竜崎勝の声かとずっと思ってました。
テンペラー星人は地球に来ている自分たちを狙ってきたんだと察するウルトラ兄弟。
ここで早速血の気の荒い(?)エース(北斗星司)が「くそ~、兄さんたち。どうやらひと暴れしなければならないようですね」と早速臨戦態勢。
だが初代ウルトラマン(ハヤタ)が「待て、今オレたちが出ていけば、東京は戦場になってしまうぞ」と静止する。
ウルトラセブン(モロボシ・ダン)も「そうか、奴の狙いはそこにあるんだ(東京が激しい戦いに巻き込まれて破壊されることを配慮したウルトラ兄弟が力を出し切れないという意味かと)」と続く。
そしてタロウにこの三浦半島の佃嵐崎までテンペラー星人を誘い出すよう指示する。
この場所なら思いっきり戦えるということらしい。
今なら「長井海の手公園 ソレイユの丘」があって、人もいっぱいいるからそんなことはできないけど、
当時は荒野同然で、穴場狙いの釣り師が数人いるかどうか程度だったらしいですからね。
タロウ(東光太郎)は「オレ1人でですか?」と問い返し、案に兄たちにも協力してもらいたい空気を出す。
しかし初代マン(ハヤタ)が「何を言ってるんだ。お前1人でやるんだ」と突き放す。
ハヤタは「何を言ってるんだ」ってフレーズ好きだな(笑)
もうここまで登場シーン2分かそこらで3度もこのフレーズ使ってる(笑)
ウルトラセブン(モロボシ・ダン)も「そうだ。そしてできるだけ早く、奴らをここに誘い出してくるんだ」と同調する。
タロウ(東光太郎)は「わかりました」と東京へ戻る。
テンペラー星人は両手から火炎放射で街を破壊しまくってる。
ZATでは大谷博士が「宇宙研究家の世界的権威」として招請されていた。
大谷博士を演じるのは竜崎勝。
実はフジテレビアナウンサーの高島彩の父親です。
ただアヤパンが生まれるのはこの5年後の1978年(奇しくも上述した田中真弓や二又一成の声優スタート年)です。
1978年絡み多すぎ(笑)
竜崎勝はこの時点ではまだ子なしで33才。
ただこの放送の4か月後に長男で元俳優の高島郷(現在は「Zoff」のクリエイティブデザイン室プロデューサー)が生まれますけどね。
「Zoff」に入社したのは父の竜崎勝がこのストーリーで後述しますがゾフィー(Zoffy)を演じたからなのか、単なる偶然なのかは本人に聞かないとわかりませんが。
それにしてもう~ん33才・・・見えない(笑)
43ならわかるけど(笑)
そもそも33才そこらの若さで「宇宙研究家の世界的権威」なんて立場になれるもんなんだろうか(笑)
根本的にウルトラシリーズは子ども向けということもあるんだろうけど、
隊長や科学者や兵器開発者が現実ではありえないほど若すぎる(笑)
「初代ウルトラマン」でまだ24才のイデ隊員があれだけの超兵器を次々開発したり、
ウルトラマンAでも同じ24才の梶隊員がTACの兵器開発担当の主任技師だとか(笑)
24才って大学で出てからまだ2年ですよ?
2年でもう兵器開発の技術主任ってどんだけ天才なんすか(笑)
ウルトラマンAでは同じく24才の今野隊員まで当初は「ロケット工学のオーソリティ」って設定だったし。
24才でもう「オーソリティ」なんすか(笑)
ありえへん...。
結局今野隊員のその設定はなかったことにされたのか、
太っちょだから力持ちキャラというだけの隊員になっちまいましたが。
ウルトラセブンで毒蝮(フルハシ隊員)が「ガッチリ体型だから力持ちキャラ」というこじつけ設定されたのを想起させる。
しかも今野隊員もフルハシ隊員も結局自慢の「怪力」を披露するシーンは一度もないまま終わるというね。
とにかく、そんないろんなことを思わせられる竜崎勝演じる大谷博士が登場。
大谷博士は「おそらくテンペラー星人だと思われます」とか「今まで予測はされていたが存在するかどうか疑われていた宇宙人です」などと話す。
しかし・・・外見だけでなく声までも33才とは思えない老け方だ(笑)
そもそも現実世界じゃ未だに地球外生命体なんて全く発見できてないわけで、
この世界でも対宇宙に関しては現実よりやや科学力が上程度なのに、
何百万光年も離れた遠い宇宙にいる宇宙人の存在をどうやって知ったんだろう。
この世界でも光速を超える宇宙船の技術は地球人は持っていないはずだけど。
ものすごい望遠鏡でもあるのかな?
一応惑星破壊ミサイルとかは作れるから、現実世界よりはやや科学力は上だからね。
あ!
でも、『ウルトラマンA』の14話で「超光速ミサイル」なんてもん作ってたからやっぱ単純に科学力が現実世界よりずっと上なんでしょうね。
その技術を宇宙船に応用すれば何百年光年も先にあるウルトラの星にも行けるのかな?
少なくともあのまま北斗星司が超光速ミサイルに乗ってりゃ、光の速さを超えて「マイナス宇宙」とやらにまで到達できたっぽいし。
君にも見えるゴルゴダの星。
光太郎も三浦海岸から戻ったところでいよいよ出撃へ。
軍人でもない大谷博士までスカイホエールの同乗を求める荒垣副隊長。
一般人を危険な戦闘に同行させるとかありえないでしょ。
もし撃墜されたらどうセキニン取るつもりなんだか(笑)
まぁ『ウルトラマンレオ』以外の歴代防衛隊は「何があっても絶対死なない」属性ついてるからある意味「絶対安全」なんだよね(笑)
いざ怪獣の攻撃を受けたところで「脱出!」で済むわけで。
『ウルトラマンレオ』以外はね。
レオだけは「脱出!」はなく普通に爆発するか墜落してしまうけど。
レオだけはね...。
最後は言うまでもなくシルバーブルーメにパックンチョだし...。
あと『ウルトラマン80』の城野エミ(石田えり)だけは殉職したか...。
ZATの攻撃もテンペラー星人には全く通用せず。
光太郎はタロウに変身する。
テンペラー星人をおびき出そうといきなり逃げ出して手招きでテンペラー星人を三浦半島まで誘導しようとするタロウ。
いやいや・・・そんなあからさますぎて魂胆見え見えじゃないの(笑)
そもそも走って東京から横須賀まで移動する気なの(笑)
バードンの時みたいに空飛んで誘導した方が早いでしょ!
結局テンペラー星人は急ブレーキをかけて「その手に乗るか!ウルトラ兄弟がこっちに来い」と東京に留まって暴れ始める。
タロウは諦めて兄たちの元に戻り「ダメだ兄さんたち」と泣きつく。
エースが「しょうがねぇな。兄さんたち行こうぜ!」と加勢しようとしてジャックもそれに続こうとする。
だがそれを初代マンが止めてあくまでタロウ1人で闘うことを求める。
我々が出ていけばウルトラ兄弟とテンペラー星人の全面戦争が東京を舞台に繰り広げられてしまうと。
セブンは「そうなれば世界は終わりだ」とまで言い放つ。
ゾフィーが「甘ったれるな!タロウ」と叱責。
セブンも「タロウ、いつまで我々を頼りにするんだ?」と突き放す。
初代マンが「早く行かんか」とさらに突き放してダメ押し。
タロウは多少しょぼくれながら「わかりました」と東京へ戻る。
見かねたジャックが「タロウがあまりにも可哀想だよ」と同情を示す。
エースに至っては「よ~し、オレだけでも助けに行く」と飛び出そうとする。
ジャックも「オレもイくぞ!」と後に続こうとする。
だがそんな2人を止めるセブン。
「今こそタロウが逞しいウルトラ兄弟になれるかどうかの大切な時だ」と諭す。
タロウを見殺しにするようで耐えられないジャックとエース。
このウルトラ兄弟の性格分けは良くできた脚本だと思います。
年長組で理知的な初代マンとセブン。
年少組で感情的で血気盛んなジャックとエースという構図。
兄貴が4人とも同じ性格だと面白くないですからね。
4人とも落ち着いたキャラだったり、4人ともイケイケオラオラな性格だったらもう話になりません(笑)
どうしてもタロウを放っておけないと歯食いしばるジャックとエース。
そこで空から見下ろしているゾフィーが「方法がある、たった1つだけな」と何かを提案する。
ここでZATとテンペラー星人の闘いに舞台は戻る。
テンペラー星人の火炎をスカイホエールが直撃。
案の定民間人の大谷博士まで巻き込んでの殉職まっしぐら。
言わんこっちゃない。
しかしここでゾフィーのテーマに乗ってゾフィーが登場。
尻に火が付いたスカイホエールと別に被弾してもいないコンドル1号まで両手でキャッチして飛んでいってしまう。
内部に搭乗していたZATの4隊員と大谷博士は気を失っている。
コンドル1号に乗っていた北島と南原は別に被弾もしてないのになぜか失神。
ゾフィーの超能力か何かで全員眠ってもらってるってこと?
そしてゾフィーが言った「たった1つの方法」がこの5人の体にウルトラ兄弟が乗り移ってテンペラー星人と闘うということだった。
テンペラー星人はウルトラ兄弟の地球にいる時の姿を知っているから姿を変える必要があるとのこと。
でも最初にテンペラー星人が東光太郎を見てもタロウだとわかっていなかったよね。
とにかく知ってるらしい。
知ってるつもり。
そしてZAT隊員になりすますことで、タロウを近くで支えることもできるというわけ。
「敵を欺くにはまず味方から。これは地球人の諺だったな」とインテリっぽいことを言うセブン。
5人は地球人の体に憑依する。
変身後に「我々が変身していることはタロウには秘密だぞ」と全員に告げる初代マン(が乗り移った荒垣副隊長)。
「タロウを(1人で闘わせて)鍛えるんだ」とセブン(が、乗り移った北島隊員)。
年少組のジャックとエースは「それじゃタロウが可哀想ですよ」とやり切れない様子。
そこにゾフィーが「今まで我々はタロウを庇いすぎてきた」と言い放つ。
確かにタロウは他の兄弟の客演(救援)が歴代シリーズで最多。
前のA(エース)もかなりなもんだったが、タロウもそれを上回るほど。
タロウとエースは敵(大怪獣と超獣)の強さが昭和シリーズでは頂点だったこともあるけど。
ましてゾフィーはタロウの代理としてバードンと闘うことになり、
頭を火炎で燃やされて最後はあのエグいくちばしでメッタ突きにされブチ殺された経緯がある。
あんだけ酷い思いをさせられたんだからそう言いたくなる気持ちはよっくわかります(笑)
さらにゾフィーは「地球人の諺に“獅子は我が子を千尋の谷に落とす”という言葉がある。
今こそオレたちはライオンの気持ちでタロウを苦難に向かわせるんだ。
テンペラー星人に1人で勝ってこそ、タロウはウルトラの国でも認められる存在になる」と諭す。
「わかしました!」と納得したら年少組で若いジャックとエースはすぐにでも駆けだしてしまう。
“北島セブン”に「おい待てエース、額の印を消してからにしろ。地球人がビックリするぞ」と苦笑いしながら静止させられるほほえましいシーン。
地球ではタロウが再びテンペラー星人に立ち向かっていた。
先ほどはおびき出すため一切攻撃をしかけなかったが、今度は攻撃を仕掛ける。
しかし、ウルトラ兄弟の光線技でも最強クラスの威力であるストリウム光線さえテンペラー星人には全く効かない!
逆に一方的にボコボコにやられてしまう。
ダメだこりゃ。
タロウは苦痛にもがきながら「兄さんたち・・・助けてくれ~」と叫び甘え続ける。
なぜか殺されずに東光太郎の姿に戻っているが、体はボロボロ。
そして基地に変えるとZATの4人と大谷博士の葬儀の真似事らしきことが森山いずみ隊員と2代目・白鳥さおりと健一くんと大谷博士の息子の栄一くんによって執り行われていた。
一般人の大谷博士を危険な任務に同行させて死亡させるなど現実にあったら大問題だろうに。
そこにボロボロになった光太郎が入ってきて「オレがふがいないばっかりに」と嘆き悲しむ。
「違うよ!光太郎さんって力いっぱい闘ったんだ!」と迫真の演技で励ます健一くん。
篠田三郎も言ってたけど健一くんを演じる斎藤信也くんは本当に演技力が高い。
この演技力はすごいと思う。
顔も子どもらしい純粋な可愛らしさのようなものがあるし。
それはともかく、栄一くんは「ちくしょう。オレがテンペラー星人を倒してやる」と、いかにも子どもらしい発言をして外に飛び出す。
後を追う光太郎は栄一が投げる「ウルトラマンボール」に注目する。
なんだかよくわかんねーアイテムだけど、初代ウルトラマンに出てきたバラージの青い石みたいに子どもの肩でも投げるとかなり遠くまで飛ぶようだ。
そして途中でパカッと開いてパラシュートが開くというオモチャみたいなもの。
作ったのは大谷博士なのかわからないし、目的もよくわからないが、これが今回の前後編ストーリーで重要なポイントになる。
そこにウルトラ兄弟が憑依した状態のZATの4人と大谷博士が戻って来る。
みんなが生きていたことに歓喜する光太郎。
そもそも森山隊員たちまだ行方がわからなくなって半日も経過してない状態だったのにいきなり葬式おっぱじめるとか諦め早すぎでしょ(笑)
栄一くんが「テンペラー星人を倒す方法はないのかよ」と大谷パパに問う。
大谷パパは「残念だがZATの戦力ではテンペラー星人に及ばないんだ」と告げる。
ここで北島セブンが「何か大きな力があれば・・・ウルトラマンタロウが来ないかなぁ」と思わせぶりに空を見上げてつぶやく。
「力がほしいと願う時」って感じ?
しかし栄一くんが「タロウなんてダメだよ。さっきだってめちゃくちゃにヤられたんだ」と痛烈にタロウをコキ下す。
するとゾフィー大谷パパが「そうか・・・ウルトラマンタロウはウルトラの国でも末っ子の甘えん坊だと言われてるらしいからな。
テンペラー星人と闘う力はないのかもしれん」と遠回しにタロウ(光太郎)をチクチク刺す(笑)
しかもそのセリフの最中もセブンが憑依している北島は横目でタロウ(光太郎)をジッと見つめている。
演じる津村秀祐の素晴らしい「無言の(セリフのない状態での)演技」です。
さらに初代マン荒垣が「やはりここはウルトラマンやセブンに来てもらわないとダメなのかな?」と思いっきり光太郎を見つめながら語る(笑)
荒垣を演じる東野孝彦の演技力が素晴らしい。
さすが初代水戸黄門(東野英治郎)の息子だけある。
ウルトラマンタロウも水戸黄門も同じTBSだけに。
そんな面白いシーンを経て光太郎(タロウ)は「そんな宇宙の人を頼りにするより、我々で闘いましょう」と勇敢なセリフを吐く。
だがここで初代マン荒垣が「しかし奴は強い!強すぎるよ」となぜか心を折るようなことをタロウに言い放つ。
するとタロウは「だったらオレだけでやります!」とその場を走り去ってしまう。
ジャック南原が「兄さん、本当にタロウ1人で大丈夫だと思いますか?」と初代マン荒垣に問う。
初代マン荒垣は「わからん。だがやらせるしかない」とあくまで“ライオンの親”の心境。
エース上野が「やっぱり無理だ!オレはタロウを助けに行く」と飛び出そうとする。
それを静止するゾフィー大谷博士だが、額の印が現れ精神的に苦悩していることが示される。
三度テンペラー星人に立ち向かうタロウだがやはり手も足も出ず一方的にヤられるだけ。
そしてついに消滅してしまう。
それを見てタロウは死んでしまったと勘違いしたウルトラ兄弟たち。
タロウの仇を討つと5人が一度に変身しあれだけ避けていた「ウルトラ兄弟VSテンペラー星人東京大決戦」が実現してしまう。
結局東京で全面戦争するんじゃ意味ないじゃないか(笑)
ここで人間体に戻っていたタロウ(光太郎)は都合良く目の前に落ちていたウルトラマンボールに気づく。
「そうだ!栄一くん、このボールを投げてくれ。君の闘志を信じるぞ」と言いボールの中に入り込む。
さらにそこに都合よく栄一が走ってやってくる。
そして落ちているウルトラマンボールを見つけてテンペラー星人に投げつける。
左利きの栄一君が投げたウルトラマンボールはめちゃくちゃ飛んでテンペラー星人の頭上当たりまで届く。
バラージの青い石を投げたムラマツキャップの強肩もすごいが、栄一くんも子どもであれだけ投げるのはスゴイ。
プロ野球投手になりましょう(笑)
当時は江夏豊の全盛期かな?
とにかくそのウルトラマンボールから現れた一寸法師みたいなサイズのタロウ。
そのままテンペラー星人の口から体内に侵入し内部から巨大化することでテンペラー星人を爆散させてしまった。
まるで『ウルトラマンレオ』46話でアストラがハングラーを倒した「ウルトラリダクション」みたい。
ウルトラ兄弟は1人の力でテンペラー星人を倒したタロウを胴上げして喜ぶ。
しかし倒されたテンペラー星人は替え玉なのか量産型の1人なのかとにかく「本体」ではないようで、
「本物」のテンペラー星人はまだ宇宙船の中にいた!
とにかくウルトラ兄弟を誘い出したかったみたいです。
だったら最初にウルトラの星を狙っていたミサイルみたいなのを地球に打ち込めばすぐにケリがついたのでは?
ずいぶん回りくどいことをする悪役だなぁと思うけど・・・それじゃ物語になりませんよね(笑)
例の猿野郎が「ウルトラ兄弟をおびき寄せる貴重な犠牲者だ。勝ったと思うなウルトラ兄弟」とまくしたてる。
ナレーションの瑳川哲朗が不気味さをこれでもかと煽り立てて終わるパターン。
瑳川哲朗って『ウルトラマンA』の竜隊長の時はシブい声(外見もシブいけど)なのにナレーションだと全然声の感じが違う。
とにかく・・・タロウはますます面白くなるねぇ(笑)
続く“後編”に該当する『ウルトラマンタロウ』34話「ウルトラ6兄弟最後の日!」のあらすじと感想は以下↓
ウルトラマンタロウ第34話、「ウルトラ6兄弟最後の日!」のあらすじと感想です。 まず33話の「ウルトラの国大爆発5秒前!」と前後編のストーリーなので、 まずは33話の内容を把握しておいた方が面白く視聴できますね↓ [sit[…]
ウルトラマンA感動の最終回(第52話)、「明日のエースは君だ!」の あらすじと感想です。 地球上で謎の円盤同士の空中戦が発生し、撃墜されます。 撃墜された現場に到着したTACと北斗星司(エース)は、地球の昭和の短パンの子どもたち[…]
ウルトラマン 38話 「小さな英雄」 あらすじと感想について ウルトラ空想科学時間02 「Stay At Home With ULTRAMAN」でYouTube配信されたストーリー。 (初代)『ウルトラマン』全39話中最高視聴率[…]
円谷プロが「STAY HOME」に一役買う「Stay At Home With ULTRAMAN」という在宅支援プログラムをスタートさせることになりました。 「ウルトラ空想科学時間」と題して、歴代ウルトラシリーズの中から、メッセージ性[…]