家飲みも“安全”ではない
コロナウイルスの問題で、居酒屋で飲むことは避け、「家飲み(宅飲み)」が主流になっていましたが、
「家飲み(宅飲み)」は必ずしも1人で映画やYouTubeを見ながらチビチビ飲むものとは限らず、
誰かの自宅に集まって「飲み会」をすることも含んでいて、
実際コロナウイルスが蔓延してもそれをしているグループはたくさんありました。
しかし、当然それは「濃厚接触」なわけでやはり感染リスクは高いとわかってきて、
いよいよ主流は「オンライン飲み会」に移りつつあります。
オンライン飲み会とは
「オンライン飲み会」とは、LINEやSkypeやZoomなどオンラインビデオ通話が可能なツールを使用して、
ネットを介してみんなで酒を飲み、つまみを貪り、愚痴を言い合って盛り上がろうという企画です。
具体的には↓のような感じの空間になります
バーやスナックで飲むことが好きな中年世代には「こんなの何がおもしろいんだ!」と憤慨するかもしれませんね。
現状は若者の間で広まっているブームですが、おそらく今後はこれが「飲み会」の主流になる可能性を秘めています。
オンライン飲み会のメリット
オンライン飲み会のメリットは以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 濃厚接触がない酒を注ぐ・注がないで気を使わないで済む嫌な上司と同席しないで済む自宅だから何でもできる居酒屋で飲むより圧倒的に安い
ざっとこんなもんです。
濃厚接触がない
コロナウイルス問題が収束するまでは極力、不要不急の濃厚接触は避けたいもの。
ネットを介しての飲み会ならその心配が全くありません。
酒を注ぐ・注がないで気を使わないで済む
飲み会だと、コップが空になると注がなきゃいけない空気になったり、
逆にもう飲みたくないのに「おい、カラだぞ」と勝手に注がれたりという苦痛があります。
オンライン飲み会なら自分のペースで飲みたいだけ飲めるので、そんな心配もありません。
嫌な上司と同席しないで済む
サラリーマンの最大の苦痛の1つに、「終業後に上司に飲みに付き合わされる」というものがあります。
それを断れば会社での居場所がなくなるリスクが高いから、部下の立場では実質断ることができないケースも多いもの。
いざ、行ってみればネチネチと嫌味や説教言われて憂さ晴らしの対象としての“サンドバック”状態になるか、
過去のくだらない自慢や武勇伝を聞かされ、しかもそれに「すごいですね!」と感動する“演技”まで必要という。
はっきり言って、実質“仕事”や“残業”みたいなものであり、残業代が出ないどころか、
酷い上司だと割り勘を求めてくることすらあります。
オンライン飲み会は親しい仲間うちでの飲み会なので、
そんな上司も嫌な人もいない楽しい空間の中で心地よく飲むことができます。
コロナ問題で唯一良かったことは、上司との飲み会に行かなくて済んだことくらいでしょうが、
これは避けられない立場の社会人にとっては本当に苦痛で苦痛でたまらないものですから助かりますよね。
自宅だから何でもできる
居酒屋と違って自宅で飲むので、服装も自由ですしハメを外すこともできますし、
突然服を脱ぐこともコスプレも扮装も自由です。
自宅ならではのシュールな飲み会を楽しむこともできますし、
人目を気にしないで何でもできることも魅力の1つと言えるでしょう。
自宅にはいろいろなものがあります。
その「小道具」を使って居酒屋ではできない楽しみもあるでしょう。
皆に見せたいオモチャを披露して遊ぶとか。
自宅にあるもので「物ボケ」をして皆を笑わせるとか。
自宅だからこその居酒屋ではできない楽しみ方があるのです。
元気があれば何でもできます。
居酒屋で飲むより圧倒的に安い
居酒屋で1回飲めば数千円は確実に飛ぶし、1万円前後になることもあります。
しかし、オンライン飲み会なら1,000円もあれば十分かもしれませんね。
つまみなんて元々自宅にあるものでも良いんです。
買ったって激安スーパーの68円とかで売ってるカキノタネでも良い。
酒も今は安いからつまみと合わせて購入しても1,000円あれば十分でしょう。
逆に居酒屋じゃ1,000円ぽっちじゃロクに飲めないし、そんな会計で出ようとすれば白い目で見られます。
出費を抑えてたっぷり飲んで食って楽しめるという点も魅力じゃないでしょうか。
2,000円分も買うならそれはもうリッチな飲み会を演出できますよ。
オンライン飲み会のデメリット
良いことだらけに思えるオンライン飲み会ですが、
やっぱりデメリットもあるにはあります。
断りにくい
オンライン飲み会を幹事役が設定すれば、誘われたら断るのが難しいです。
今は外出自粛を求められているから「当然自宅にいるはず=参加できるはず」という理屈で求めてくる人もいるかも?
日本人の同調圧力の強さは尋常ではありません。
「ちょっと体調悪いから」と言うくらいしか参加を断る理由はないでしょう。
退席しにくい
自宅だけに終電を気にすることもないし、それこそエンドレスでダラダラ飲み続ける可能性もあります。
歯止めが効かなくなり、酒量も増えて翌日の仕事に悪影響が出ることもある。
自宅という空間で皆タガが外れてしまっているので、どこかで線引きをしないとエラいことになります。
常に全員の顔と視線がこちらに向けられていて気疲れする
モニターで全員の顔を分割して会話するシステムですから、
基本的に顔は全員こちらを見ている構図になります。
向こうからすれば複数ある画面のうちの1つなんですが、
こちらからは全員が自分だけを見ている感覚に陥るのです。
これが長時間続くとなんだか疲れてくるわけです。
やっぱり人間だからジロジロ見られるのって嫌じゃないですか。
実際居酒屋で飲んでいたら、自分が何か話している時でもなければその場の視線が自分だけに集まることはありまへん。
しかし、オンライン飲み会だと常に視線が自分に集中しているような錯覚に陥るのです。
「お願い!私だけを見ていて」という性格でもない限り、ちょっと疲れたり違和感を感じるのは無理もないことです。
このようにデメリットもいくつかあるので、向き不向きもあるでしょう。
気乗りしない時は、「体調が悪い」とか「勉強がある」とか理由を作って参加しないのも良いでしょう。
無理に参加するのはおすすめできません。
みんなで楽しみたい人だけ楽しめば良いわけですからね。
オンライン飲み会におすすめのアプリ(ツール)
オンライン飲み会を開くにはどのアプリ(ツール)がおすすめなのか?
ここで紹介しておきましょう。
Zoom
ビジネスのオンライン会議用ツールで、大人数でも利用できる点でこれが一番安定しているでしょう。
スマホでも利用可能です。
LINE
言わずと知れた誰もが知ってるアプリ。
もっとも手軽にオンライン飲み会が開催できますね。
ただ、スマホ版画面分割表示は4人までと上限が厳しいので、
人数が多い場合は16人まで表示できるPC版が良いでしょう。
ただ、音質は悪いのはLINE通話などでもご存知の通りです(笑)
Skype
こいつも誰もが知ってる有名ツール。
しかしコイツも画面分割表示は4人までです。
大人数の時は他のツールを推奨します。
そして遅延も頻繁に発生します。
たくのむ
「たくのむ」は3月28日にスタートしたばかりのオンライン飲み会アプリです。
4人までが無料ということですが、この4月現在では特別サービスで12人まで無料で使用できます。
登録は当然無料で、めんどくさいアカウント作成すらなくすぐに飲み会ルームを作成して飲み会をおっぱじめられます。
今後は顔の加工機能(すっぴんでも参加できるように)やデリバリーサービスなども対応していくようで、どんどん進化していきそうですね。
「たくのむ」の詳細は以下↓
オンライン居酒屋「ゆんたく」
最初に言っときますが、これは有料サービスです。
ちょっと番外編みたいな紹介ですが、このサービスの特徴は「出会いを求めて相席プラン」というものがあることです。
「相席屋」のオンライン版みたいなもので、婚活などに利用できそうですね。
外出できない現状で、出会いの機会損失はただでさえ晩婚化・非婚化・少子化が進む現状を悪化させてしまいます。
この「出会いを求めて相席プラン」では、知り合った男女がお互い気に入れば連絡先交換が可能です。
酒を飲みながら盛り上がって相性がよければ・・・みたいな感じのサービスです。
もちろん、親しい仲間が集まってオンライン飲み会を開く「貸し切りプラン」もあります。
わかりやすく言えば、文字通りネット上にある居酒屋で親しい仲間で飲むか、「合コンするか」みたいな感覚ですね。
料金は
貸し切りプラン ⇒ 1人90分まで500円(延長も90分500円)
相席プラン ⇒ 1人90分1,000円(延長不可)
ゆんたくの詳細は以下↓
みんなで仲良く和気あいあいとゆんたく(おしゃべり)しませんか?オンライン居酒屋『ゆんたく』…
居酒屋業界の今後
「たくのむ」は先月末、「ゆんたく」に至っては今月になってスタートしたばかりのサービス。
これは、いよいよ「飲み会」の場が「リアル」から「ネット」に推移するかどうかの境界線であることを意味しています。
コロナが終息したとしても、皆が「外で飲む」形に戻るとは限りません。
外出自粛のリバウンドで一時的にはにぎわうかもしれませんが、一度オンライン飲み会の快適さを味わったらもう元には戻れないかもしれない。
一度変わった流れってもう元には戻らないものですからね。
「アフターコロナ」の世界は、これまでと大きく様々な価値観もビジネスの形態も変質しているでしょう。
そうでなくても若者の飲酒離れが進んでいます。
今の20代以下は酒もたばこもビックリするくらいやらないですし、もともと「巣ごもり」需要が高い世代なんです。
その世代を「リアル店舗」で取り込むこと自体が難しいのかもしれません。
まして、バーやスナックなどは尚更若者が立ち寄る場所ではなくなっています。
居酒屋業界はもう中年以上の客層をメインにするしかないのか?
それとも若い世代も呼び込める「付加価値」を生み出せるか、コロナ問題を抜きにしても大きな岐路に立たされていたことは事実です。
今回の「オンライン飲み会」のブームには、時代の大きな変革を感じさせるものがあります。
酒が大人の最大の楽しみだった時代は平安の世から平成の時代まで長く続きましたが・・・令和の時代でついに終焉を迎えるのか?
ただ、ネットやSNSが普及すればするほどリアルな人と人のふれあいの機会が消失しているのも事実ですね。
今は濃厚接触は避けたい時期ですが、何でもかんでも「ネットを介して」というやりとりになるのも考えものかもしれません。
言葉は心を越えません。
愛を得るならやっぱり直接会ってリアルな雰囲気を確かめ合いながら語り合うしかないような気もしないでもないような気がする。
もうこんな夜は飲まなきゃやってられない!
今夜が山田。