正義中毒とは?人を叩く原因は脳の老化らしい

最近「正義中毒」という言葉が話題になることが多いです。

「間違ったこと(をする人)が許せない」という考えから、ネット上で他者を叩くことがやめられない人のことらしい。

 

それが行き過ぎて「自分の考えが絶対正しい!自分が絶対正義」と究極的な思考になり、それに共感しない人は「敵」として攻撃する。

でもそれって、今さら言うことでもなく、ネット上には常にそんな考えの人ってたくさんいたと思うんです。

 

そして、そういう行動がやめられない人は脳が老化してしまっていることが原因らしいです。

そう聞くとゾっとしてしまいますよね。

 

なぜ、人間は他人を叩くのか?

「他人が許せない」心理の根底にあるものは何かを自分なりに掘り下げてみました。

 

そもそも、「ネット炎上」に加担する行為は「正義心」からなのか?

 

いつも思うのは、「叩いている人たちは本当に正義心(良心)から叩いているのだろうか?」という疑問です。

しかし、過去の流れを見ていると、とてもそうとは思えない姿が浮かび上がります。

 

「不謹慎狩り」について

 

2016年に発生した熊本地震の時は「不謹慎狩り」というものが横行しました。

タレントの西内まりやや長澤まさみが自撮り写真をSNS上に投稿しただけで「不謹慎だ!」と叩かれました。

さらに地元熊本出身で実家が全壊して現地に行っていた井上晴美が現地の様子をネットにUPしました。

それに対しても同情を買おうとするなという論調で叩かれまくっていたほどです。

 

この年は「なんでこんなことでみんな怒ってるんだろう?」と思うような炎上が多発しました。

日本人の精神的余裕がなくなり、常にピリピリして、どんどん心が狭くなっていっていると感じた年です。

 

象徴的なのは7月に函館の山中で発生した7歳の男児の行方不明事件。

これは言う事を聞かない男児に対して、両親が「しつけ」のために一時的(5分ほど)置き去りにしたことが原因です。

 

このしつけの良し悪しは賛否が割れますが、ネット上では男児に過剰に感情移入する層が多く、

両親を激しく叩きまくり、果てはこの両親が既に男児を殺害して埋めたと自信満々に語る暴走した妄想まで出回ったほどです。

 

結局、男児は数日後に無事に発見され、そんな事実はなかったのですが、やはりネットの炎上は以上だなと感じてしまいます。

その極めつけがかつてあった某お笑い芸人の誹謗中傷事件でしょう。

 

某お笑い芸人の誹謗中傷事件について

 

某お笑い芸人が過去に社会を震撼させた殺人事件の犯人グループの1人だという「暴走した妄想」がネット上に流布され、

それを信じた人たちが過剰にその芸人を憎悪し、誹謗中傷を繰り返しました。

 

さらにその芸人を番組出演させたテレビ局にも「殺人犯をテレビに出すのか」と苦情を入れるなど風評被害まで発生。

彼はそのために仕事が得られにくくなってしまい、芸人として伸び盛りの年代を10年近く風評被害で潰されました。

 

その犯人たちは当時30代後半の中年層が大半だったそうで、中には17才の高校生もいたそうです。

しかし、その誰もが心からの謝意を示したわけでもないようで、しかも未だに彼への誹謗中傷は後を絶たないそうです。

 

なぜ彼を叩いたかと問われると仕事や人間関係のストレスでイラついていたり、離婚して精神的に荒れていたなどの理由が多数。

挙句には「俺を騙したネットが悪い」とか「他の人だってやっている」など責任転嫁して素直に罪を認めない人も多かったとか。

 

このような事例を見るともう、実態は「正義」でもなんでもないことも多いことがわかりますね。

単に「満たされない毎日」の憂さ晴らしとして叩いている人もたくさんいるということです。

寧ろ「世の中を良くしたいから」という矜持の元に常に何かを叩いている人などいるのでしょうか?

 

某プロレスラーの“黒い噂”について

 

似たようなケースで、今も現在進行形で誹謗中傷を受けている某プロレスラーがいます。

彼は過去に練習生を「しごき」で死亡させたという根拠が怪しい噂がネット上に流布され、「殺人鬼」として叩かれまくっています。

 

その噂の発症は、当時その団体に所属していたアメリカ人レスラーが母国で出した自伝にそれを示唆する記述があるからだとか。

ただ、その「自伝」の原本を実際に読んだ上で叩いてるプロレスファンは存在しないんじゃないかと思います。

 

この噂の発祥は、いかにもプロレス業界にありがちな真偽不明なブラックネタを面白おかしく捏造したムック本なんです。

プロレスファンという人種は「妄想力」が旺盛なので、このような本を書く人も、それを読む人も自分の主観に満ちた妄想に浸りがちです。

 

プロレスファンに英書を読める語学力を持つ人がいないからなのかわかりませんが、おそらく皆そのムック本を読んだ人と、

それを読んだ人のネット上の投稿を鵜呑みにした人が一斉に叩き始めたのです。

 

しかし、その「自伝」を実際に読んだという人を見たことがありません。

全てはそのムック本(2次情報)か、そのムック本を読んだ人の投稿(3次情報)を「事実」と認識して叩いている構図です。

 

さらにプロレスファンは「妄想癖」という特性があるので、「きっとこうなんだろう」と自分の頭の中で勝手に妄想を膨らませてしまいます。

これが拍車をかけて、このプロレスラーも気力が萎えたのか、特に肉体が衰えたわけでもないのに唐突に引退してしまいました。

 

正直、この真相に関しては、自伝を残したアメリカ人レスラーが妻子を銃殺して自殺してしまうというとんでもない事件を起こし、

もう完全に闇の中です。

 

ただ、客観的に考えて、この“黒い噂”はほぼデマだろうと思えます。

そのプロレスラーはその練習生の死亡事故以後に寧ろ“出世”して、数年間そのプロレス団体のトップレスラーとして君臨していました。

 

普通に考えて、練習生を死亡させたような人物がトップで居続けられるわけがないのです。

当然、他のレスラーは「あんな事件を起こしたのに」と思えばやってられなくなるでしょう。

そもそも会社としてもそんなレスラーをトップに据え続けることなどできるわけもない。

 

ただ、そのレスラーは他の選手からも厳しいしごきに対する文句を言われていたり、

別の死亡事故に関わっていた疑惑があったり、自分が独立して団体を持った後は新弟子に暴行して告発されたりしています。

 

叩けば埃が出るタイプなのかもしれませんし、かなり「グレー」な存在であることも事実かもしれません。

しごきに関しては当時はそういう不調だったこともあり、また彼も幼少期に父親から酷い虐待を受けていた背景もあります。

別の死亡事故も関連性が怪しいですし、新弟子の暴行告発の一件もその新弟子の売名行為という話もあります。

 

「デマをデマと見抜けない」のではなく、「事実に決まっている」「事実であってほしい」という感情で叩く

 

結局、真偽不明なものを「事実だろう」から「事実に決まってる」に発展し、最後は「事実であってほしい」という感情で叩いているように思えます。

つまり、「デマをデマと見抜けない」という段階から一歩超えて、「デマを事実だと思いたい」という感情で叩いているようにも見えるのです。

叩く対象が「気に入らない」から、“叩く理由”が欲しいからそのデマが「事実であってほしい」という感情ですね。

 

叩かれたお笑い芸人やプロレスラーは元々“アンチ”が多いタイプで、好感度というものはルックスの良さ等本人の努力ではどうしようもない部分があります。

今、いじめ問題で話題になってYouTubeデビューした某お笑い芸人がいますが、彼もそのルックス面で好感度が低すぎて何をやっても叩かれるタイプです。

 

ルックスの良さというのは、必ずしもイケメンとか美人でなければいけないわけではなく、「好かれやすい外見(オーラ)」みたいなものってあるんです。

ダウンタウンというコンビはまさにそうでしょう。

別に飛びぬけてイケメンというわけでもない(そもそも芸人はイケメン過ぎるとウケなくなりますが)けど、どこか華やオーラがある風貌です。

同期のトミーズと比較すると、トミーズ健などは“対照的”なのがわかりますね(ちなみに僕はトミーズは2人とも大好きです)。

 

逆に「なんとなくムカつく」とか「なんとなく嫌い」と思われやすい外見(オーラ)の人もいて、上述したお笑い芸人やプロレスラーはこのタイプなんですよね。

ルックスも悪い部類になるでしょうし、それ以前に目つきとかオーラとか何か叩きたくなる雰囲気を持ってしまっているんです。

これって有名人じゃなく一般人でもよくあることですけどね。

 

「正義」よりも「憂さ晴らし」「気に入らない人を叩きたい」という思考

 

まとめると、ネット上の炎上や過剰な批判などは一見「正義中毒」という言葉で語られているものの、

実際は「憂さ晴らし」の側面が大きいということです。

 

人間は嫌いな人の悪口を言うと「ドーパミン」という快楽物質が分泌されます。

「スカッとした」と感じるのはこのためです。

この「ドーパミン」は中毒性があり、一度味わってしまうとやめられなくなります。

だからネット炎上や誹謗中傷や過剰な個人叩きはずっとなくならなないのです。

 

叩いている人も同じ人ばかりです。

同じ人が同じ人を・・・あるいは叩く対象を変えたりしながら常に叩いている構図。

 

叩く対象がいることで心地よく満足感を得られるから、最終的には「誰でも叩く」状態に近くなります。

実際、誰か1人でも過剰に叩いている人は必ずそれ以外の誰かも叩いていいます。

たった1人だけを過剰に叩き、それ以外の人は全て称賛しているなんて人は存在しないでしょう。

もう「叩くことがライフワーク」になってしまっているのです。

 

ただ、それはとても危険なことなんです。

人の悪口を言うことはもちろん、人を過剰に叩くことで脳はストレスを受けます。

「ストレスホルモン」が分泌されて脳機能が低下するのです。

そして、脳の老化を加速させてしまうことが問題となります。

 

脳が老化すると他人が許せなくなる

 

よく、「人間、歳を取れば丸くなる」と言われます。

実際、それは事実であり、人間の脳が攻撃的になるのは思春期の「反抗期」時代。

 

そして20代くらいまでは“血気盛ん”な時代が続くのが一般的。

だから怒ってばかりいるのは若者というイメージがあります。

 

しかし、ネット上で他社を叩いているのは圧倒的に中年が多いのです。

これはデータやアンケートなどでわかっています。

 

「どっちなんだ」と思いますよね。

丸くなるんじゃなかったのかと。

 

しかし、上述した某芸人の誹謗中傷も当時(10年ほど前)で30代後半の世代でした。

某プロレスラーを叩いているのもほとんどが40代以上です。

 

普通は丸くなる年代のはずの現在の40代以上が「過激化」しているのはなぜでしょう?

おそらく、通説通り丸くなっている人もいれば、逆に攻撃的になっている人もいると考えられます。

 

クレーマーなんかもほぼ全員中年ですよね。

若いクレーマーというのを見たことがないでしょう。

 

実際、脳の前頭前野が老化で委縮すると偏屈な思考を持つようになり、

他人が嫌いになったり攻撃的になったりすると脳科学者も口にしています。

 

これは人の悪口ばかり言ってきたり、常に誰かを叩いたりしていた人に見られる傾向で、

悪口ばかり言っている人は脳の老化が早く、脳の萎縮もどんどん進行してしまうそうです。

 

嫌いになる対象もどんどん拡大して、

自分と同じ中年世代の男全体を嫌いになり、

さらに男全体を嫌いになり、

果ては人間嫌いになり動物や人間でも幼い子どもだけに愛情を向けるようになる。

 

このように、悪口を言ったり他人を叩いたりしていると脳がますます委縮する一方になってしてしまうのです。

とても怖いことですよね。

 

また、今の40代はいわゆる「ロスジェネ(就職氷河期世代)」で、仕事などに苦労した世代です。

必然的に、実生活に不満を抱えている人も多いです。

また、学生時代は「不良」や「チーマー」などが流行っていた世代で荒れていた10代を過ごしているので、

その頃に備わった攻撃性が失われない人も多いのです。

 

そういった様々な要因が、今の日本の40代以上を「正義中毒」にしている側面があります。

もうここまで話せば「正義」でもなんでもなく「憂さら晴らし」ですけどね。

 

仮に、今毎日のように何かを叩いている40代のある人物がいたとします。

その人のYAHOOニュースのコメント履歴を見ても書き込みは悪口や他者叩きばかりです。

しかし書き込みの頻度は毎日何十件というとんでもないハイペース。

もう「正義中毒」どころか「悪口中毒」状態です。

 

仮に、その人が海外の高額クジにでも当たって何十億円も手にしたとします。

その後はその人は一切悪口も他者叩きも止めるだろうと断言できます。

 

結局は「満たされない」現状が「誰かを叩いて憂さ晴らし」に走らせているのです。

金があるないに関わらず、毎日充実して楽しく生きていれば他人を叩き続けて生きることなどありません。

逆にそれなりに金があっても人間関係が満たされなかったり、いろいろなストレスがあれば他人を叩いて憂さ晴らしをする人は多いのです。

さすがに何十億円も金があって、遊んで暮らせるレベルになれば別ですが。

 

毎日を真剣に生きていたら、他人を憎んだり、他人のあら捜しや叩く材料探しをしている暇などありません。

おそらく「暇」を持て余していることも問題なんでしょう。

実際、僕も過去にそんな時期があったからわかるんです。

人生が満たされず、暇な時間だけは多かったから毎日ネットに張り付いて嫌いな芸能人の悪口ばかり書き込んでいました。

 

しかし、そうすればするほどどんどん人生は悪化するばかりでした。

ある時、悪口を言えば言うほど不幸になるということを本で知り、

感じる部分があったので悪口をいっさい止めてみました。

 

人を憎んだり、悪口を言っている時間を、自分の将来のための勉強に充てました。

その結果、すぐにというわけではありませんが、そこから人生が好転し始めました。

ネットに張り付いて誰かを叩いていても何も生まれないし、人生を無駄にしていることに気が付きました。

ましてそれは「正義」でもなんでもないということにも気が付きました。

 

だから、「正義中毒」なんて言葉はまやかしです。

実体は「悪口中毒」です。

常に叩く対象を探し、何かを叩いていないと心が落ち着かない状態でしょう。

それを続ければ続けるほど、人生が悪い方へ堕ちていくばかりです。

 

「歪んだ正義」とか「正義感の暴走」とか言われていますが、

それは「正義」でもなんでもないのです。

 

すべての人に良い人生を歩んでほしい。

良い人生を歩むためには「他人を憎まない」ことに尽きます。

 

人を憎んで、妬んで、そして叩いて、悪口を言う。

こんなことをしていたら絶対に楽しいことなんて降ってきません。

 

「許す」心を持てるかどうかです。

そりゃ、誰だって嫌いな人がいるのは人間ですから仕方ないです。

でも嫌いだからって叩いたり攻撃していたら結果的に巡りめぐって自分も傷つくことになるんです。

だからこそ「許す」んです。

 

それがどうしても難しければ、せめて嫌いな人のことは一切意識しないことです。

叩く人はなぜか嫌いな人の情報ばかり見てしまう傾向があります。

なぜ嫌いなのにその人の情報を集め、そして叩く行動になるのか?

不健康すぎる修正です。

せめて、「意識しない」ようにするだけで、心が大分ラクになりますよ。